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オーデマピゲ・パテックフィリップ・ヴァシュロン買取強化

ロレックス, 時計買取の基礎知識, 高く売るコツ

高級時計のコストパフォーマンスを鑑定士が考察してみた!

腕時計に数十万円~数百万円かけることに、抵抗はありますか?

時計愛好家を覗けば、多くの方が「抵抗がある」と答えるのではないでしょうか。

そしてその理由は、「コストパフォーマンスが悪いように思うから」ということが一つに挙げられるのではないでしょうか。

現在、1,000円も出せば、オシャレで性能の良い腕時計は簡単に手に入ります。実に「コスパよし」ですね。そんな中で高級時計は果たして数十万円,数百万円の価値に対するパフォーマンスを発揮できているのでしょうか。

そこでこの記事では、東京 銀座の時計専門買取店GINZA RASINが、高級時計のコストパフォーマンスについて考察しました。

高級時計 ロレックス デイトナ

 

高級時計のコストパフォーマンスが悪いと言われる四つの理由

なぜ高級時計のコストパフォーマンスが悪いと言われるのか、よく聞く四つの理由をご紹介いたします。

 

理由①高級時計は必ずしも高性能ではない

腕時計は、パソコンやカメラと同じように「精密機器」です。パソコンやカメラなら、高価格帯になればなるほど容量が大きかったり高速であったりと、性能が向上するものです。

しかしながら腕時計は必ずしも高性能とは限りません。

 

時計の性能の指標でわかりやすいのが「精度」でしょう。これは、一日にどれくらい時間が進むまたは遅れるかの指標です。

比較的安価とされる腕時計の精度は、月差±10秒~20秒程。これは、月に10秒~20秒の誤差が出る、というものです。高級時計の場合、高精度を謳うモデルであっても日差-10秒~+20秒程度。これは、日に10秒の遅れ~20秒の進みが見受けられる、ということです。

断然、前者の方が「高性能」と評価する声が大きいのではないでしょうか。

 

なぜ精度にこれほどまでの差が出るかと言うと、「機構」が関係してきます。

一般的に高級時計と言うと、その機構は「機械式」です。

機械式時計はゼンマイを駆動力としており、このエネルギーの制御,変換,伝達,表示機構の全てが機械で構成されています。そのため非常に多くのパーツが用いられることとなります。機械式時計の原理は1500年頃に発明され、伝統的に用いられてきました。

一方の安価な時計の機構は「クォーツ式」です。

クォーツ式は電池を駆動力としており、表示は歯車によりますが(アナログ式の場合)、エネルギーの制御,変換,伝達機構が機械式とは大きく異なります。まずクォーツ式の語源ともなっているように、制御に水晶振動子(クォーツ)を用います。

クォーツは電圧印加することで高速振動する特性があるのですが、この振動をICによって一秒に一回の電気信号に変換し、ステップモーターと呼ばれる回転モーターで歯車に伝達・稼働を行います。クォーツ式は1969年、セイコーが市販化し、普及していくこととなりました。

 

ウブロ ビッグバン ウニコ チタニウム 411.NX.5179.RX

前述した時計の精度は、制御機構がカギとなります。

前述の通りクォーツ式はクォーツが高速振動することでエネルギーを制御しています。理論上は振動数が多ければ多いほど、精度は安定することとなります。ちなみに一般的なクォーツの振動数は、1秒間に32,768振動と言われています。

一方の機械式時計は「テンプ」と呼ばれるパーツの振動数によって精度が決まりますが、振動数が多いとパーツが摩耗し、劣化の大きな原因となります。そのため比較的高性能な機械式時計の基準振動は28,800振動/時。これは1秒間に8振動となります。「ハイビート」と称される高精度機械式時計の場合だと、36,000振動/時。これは、1秒間に10振動となります。とうていクォーツの振動数には及びませんね。

 

※もっとも最近では機械式時計の技術進化は目覚ましく、2017年にゼニスが「デファイ ラボ」の名のもと、10万8,000振動/時の超高周波振動が可能となった自動巻きムーブメントを開発しています。このムーブメントは2019年に「デファイ インベンター」に名前を変え、12万9600振動/時を実現しました。

 

つまり、その構造上、どうしても機械式が多い高級時計は精度面ではクォーツ式に振るわない傾向があるのです。

ちなみに近年ではグランドセイコーやブライトリング等の一部高級ブランドが「高級クォーツ」と呼ばれるジャンルを切り開いています。これは安価なクォーツに比べてはるかに高精度&高級感が溢れる製品ですが、機械式時計に比べれば価格は低い傾向にあります。

 

セイコー アストロン

出典:https://www.facebook.com/Seiko.Japan

さらに言うと近年のクォーツの中には標準電波受信機能やGPS受信機能を設けることで、おそろしく正確な製品が世に出回ることとなりました。ちなみにこれらハイテクウォッチは電波によって時刻合わせを行うため、基本的には手動での操作は必要ありません(ハイテクウォッチは高価格帯になりがちですが)。高性能と言えば、スマートウォッチの存在も無視できませんね。

 

こういった観点から、「機械式時計、すなわち高級時計は高性能というわけではない」と言えることができ、これがコストパフォーマンスへの疑いに繋がっていると考えられます。

 

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理由②高級時計(機械式時計)は壊れやすい

よく「高い時計だから、なかなか壊れないでしょ?」といったお問合せを頂くことがあります。「壊れる」を寿命とすれば、高級時計は長寿命で、壊れずに私たちのそばで時を刻み続けてくれることとなります。

しかしながら「故障しない」と同義ではありません。正しい取扱いと定期的なメンテナンスを施さなくては、すぐに使用に支障が出てしまうこととなります。

これは、前項でご紹介した機械式時計の構造に理由があります。

パテックフィリップ ノーチラス プチコン

機械式時計は全ての機構を機械で担うため、クォーツ式に比べてパーツ数が多くなります。このパーツもきわめて微細なもので、衝撃で正位置からズレてしまったり、破損してしまったりすることがあります。

さらに機械式時計の大敵は他にもあります。それは、水と湿気です。

時計内部に水が入ってしまうと金属でできたパーツが錆びてしまうこととなります。ここで「水仕事している時だけ気をつければよい」と思うのは大間違い。雨やご自身の汗によっても時計内部に浸水したりパーツが湿気たりする場合があるのです。

もちろん機械式時計も最近では実用面が急速に高まっており、一定の防水性を持つ個体がほとんどです。しかしながらリューズを開けっ放しにして使用することや、経年によって当時の防水が保てなくなることで、容易に水による弊害を招いてしまいます。

 

ランゲ&ゾーネ

また、スマートフォンやパソコン,あるいはマグネット式のバッグから発せられる磁気も機械式時計の正確性を狂わせます。金属でできたパーツが磁気にあてられることでパーツ同士でくっついてしまい、正位置から大きくズレてしまうのです。機械式時計は緻密な設計のもとに構成されているため、わずか数ミリのズレで性能は大きく変わります。

磁気帯びは磁気抜き機によって比較的簡単に治療できるとは言え、ひどくなると後述する高額なオーバーホールが必要となります。

こういった壊れやすさが、コストパフォーマンスで重視されがちな「丈夫さ」の妨げになっていると言えるでしょう。

 

理由③高級時計は維持費がかかる

理由②で「メンテナンス」について言及しました。

機械式時計は、4年~5年に一度「オーバーホール」を行うことが推奨されています。これは、一度内部機械(ムーブメント)をバラして分解し、キレイに洗浄し、組み立て直す作業です。また、パーツ同士の摩耗を防ぐ潤滑油を、新たに注油することとなります。

オーバーホール

このオーバーホールは機械式時計にとって非常に大切な作業です。オーバーホールを繰り返し行うことで機械はまた息を吹き返し、末永く愛用していくことに繋がります。また、一度分解することで外観からはわからなかったパーツの破損や劣化を視認することも可能となります。

 

しかしながらこのオーバーホール、ブランドにもよりますが、結構な金額がかかります。平均的には数万円~、ラグジュアリーブランドや複雑機構の正規メンテナンスであれば、数十万円かかることもあります。さらにパーツ交換などになれば、その分の費用が上乗せされることとなります。

なお、クォーツにもオーバーホールは必要と言われていますが、機械式よりもそのスパンは長く7~8年程度に一回行えば済むこと。加えてクォーツの場合、イニシャルコストよりもオーバーホール代金の方が高くついてしまい、新品購入した方が良いといったマインドがあることなどから、低価格帯の製品は電池交換を除くメンテナンスが施されないことも少なくありません。

こういった機械式時計のランニングコストは、維持していくうえで手間もお金もかかりづらいクォーツに比べると、コストパフォーマンスが悪いといった指摘に繋がっています。

 

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理由④価格の中身が見えづらい

高級時計はなぜこのように高額なのか、疑問に思ったことはありませんか?

確かに使われている素材がゴールドであったりダイヤモンドであったり、超複雑な機構を有していれば納得かもしれません。しかしながら、一見シンプルでなんでもないようなステンレススティール製のモデルが、一本100万円で売買されるということは珍しくありません。

こういった高級時計の内訳が可視化されづらいというのが、コストパフォーマンスに大きく影響しているのではないでしょうか。

しかしながらムーブメントを覗くと、その差は一目瞭然です。

こちらがクォーツムーブメントです。手前側の円が電池となります。

こちらは、機械式時計です。

 

どちらも3針+デイトのシンプルな機構となりますが、そのパーツ数が大きく異なりますね。前述の通り、機械式時計のたくさんのパーツは緻密な設計によって精密・精緻な構造を実現しています。この設計が狂うことは製品の仕様に影響を与えてしまうため許されません。

こういった緻密さから、最近では時計製造技術もオートメーション化しているとは言え、なかなかクォーツのように量産化とはいかず。結果として製造コストがかかり、高い値付けが行われています

とは言え、外観からはわかりづらいことに変わりはありません。

また、1万円~数万円程度で購入できるカジュアルな機械式時計市場も存在し、時計市場の拡大とともに成長を遂げています。この市場の中には数万円でも機械式ムーブメントを裏蓋側から覗かせたり、高級感あるデザインに仕上げたりするなど、ブラッシュアップが進んでいます

時計好きでなければ違いは見えづらく、高級時計の価格に納得しづらいまま。これが価格に対する満足度の低下に繋がり、コストパフォーマンスが悪いと思われる大きな要因と言えるでしょう。

 

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高級時計のコストパフォーマンスが良いと言える四つの理由

前項までで、高級時計のコストパフォーマンスが悪いと思われる四つの理由をご紹介いたしました。

しかしながら、上記のような見解を抱えてなお高級時計のコストパフォーマンスは優れていると結論づけたいと思います。

その理由を四つ解説いたします。

 

理由①換金率(買取率)が高い

GMTマスターII 126715CHNR

確かに高級時計は高額です。ショッピングローンを組んで購入することも少なくありません。しかしながら高級時計の最大の魅力は、手放す時、高額で買い取ってもらいやすいことです。

もちろん全てのモデルというわけではありませんが、有名高級時計であれば、積極的に買取しているショップは非常に多く、イニシャルコストから大きく損をせずに手放すケースが多いと言えます。

この背景には、高級時計は「末永く使うことが前提」というものがあります。長く使えるがゆえに中古市場で活発に売買され、かつ経年劣化も安価な製品に比べて起きづらいのです(もっとも、アンティークなどは経年劣化の風合いに味わいを感じる愛好家が少なくありません)。

例えばロレックス

高級時計の中で最も有名なブランドと言っていいかもしれません。高い人気と品質から一大中古市場を形成しており、多くのショップで積極的に高額買取をしています。

当店でロレックスの各モデルの中古販売価格と買取価格から換金率(買取率)を割り出したところ、平均して75%という高い数値を叩き出しました。つまりこれは、100万円で製品を購入したら、75万円で売却できるという計算です。日常で使って、高級時計を味わい尽くして、実質25万円しかかからなかったと考えればかなりコストパフォーマンスが良いと言えるのではないでしょうか。

サブマリーナ 116610LV

なお、ロレックスの一部モデルは人気が高まりすぎた結果、常時品薄で買取価格がメーカーの定価を大きく上回るという現象が続いています。

例えばサブマリーナ 116610LV。2020年にモデルチェンジを経たことで旧型116610LVは生産終了となりました。ロレックスは生産終了モデルに買いが集中して相場が上がるという現象が昔から確認できています。

そのためサブマリーナ 116610LVの現在の実勢相場は200万円を超えており、定価の987,800円の倍以上となっています。ちなみに先代サブマリーナは2010年に誕生しており、初出からしばらくは60万円~70万円程度で購入できた時代があります。つまり、その頃にサブマリーナ 116610LVを手にしていた方が現在売却すれば、お得な換金率どころか、むしろ儲けを手にできる可能性がある、ということです。

 

IWC ポートフィノ

前述の通り、これは全てのブランドの全てのモデルで言えることではありません。人気が高く、また品質も一級品である名門高級ブランドにのみ許された事象です。

しかしながらオメガやタグホイヤー,ウブロにIWC,パネライ等、迷ったら人気ブランドの高級時計を買っておけば、手放す時・あるいは資産として子や孫に譲る時、そのコストパフォーマンスの優秀さを実感できることでしょう。

 

なお、前項で時計のコストパフォーマンスが悪いと思われる理由として「壊れやすい」を挙げました。

しかしながら人気高級時計は、壊れていても高く買取できることもある、ということを是非知っておいてほしいと思います。

これは高級時計の価格を上げる原因でもある「機械式」に秘密があります。

機械式はオーバーホールによって息を吹き返すことをご説明しましたが、古い個体であってもこれを行うことで、修理して再販することが可能であるためです。ロレックスのような有名ブランドは修理ノウハウもよく広まっており、メーカーが生産を終了したパーツ類も入手しやすいため、より「壊れていても高く買取されやすい」ということが言えるでしょう。

売却して、また別の時計の資金源にできる。あるいは売らずとも、子々孫々に続く家宝とできる。

このような「コストパフォーマンス」こそ、高級時計最大の魅力と言えるでしょう。

※買取率や相場や2020年11月現在の情報となります。

 

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理由②品質が素晴らしい,使い捨てではなくメンテすれば半永久的に使える家宝のような存在

エクスプローラーI 214270 最新型

二つ目の「コストパフォーマンスが高い」と言える大きな理由は、何度か言及していますがその品質にあります。高級時計は、カジュアル時計と品質が全く異なると言っていいでしょう。

確かに単純に機械のパーツ数が多い、ということはあります。そしてその構造上、量産しづらいことも価格に大きな影響を与えているでしょう。
これに加えて、高級時計では最高品質の素材を、最高峰の職人たちが手塩にかけて作り上げているがゆえに高くなっているのです。

 

例えばステンレススティール。

キッチンのシンク等にも使われる身近な素材ですが、実はこの中にもグレードがあります。そして高級時計によく用いられるのは、316Lです。これは工業規格で定められた番号で、頭にSUSをつけることもあります。

さらにハイクォリティなステンレススティールとしては904が挙げられます。これはロレックスやジラールぺルゴといった、一部の名門のみが採用しているもの(ちなみにロレックスではオイスタースティールと呼んでいます)。

いずれにしろ、高級時計が用いるステンレススティールは耐蝕性に優れ、またアレルギー耐性が強いと言われています。

 

加えて、高級時計はこのステンレスをそのまま使うのではなく、丁寧に仕上げを施します。仕上げはポリッシュによって鏡面を出したり、逆にヘアライン仕上げによってツヤ消ししたり。

GMTマスターII 126710BLNR

仕上げを行うことで歪みのない表面を実現する,あるいは高級機らしい光沢と質感を共存させる,視覚的な立体感を持たせる等の効果を生みます。

この仕上げはハイレベルになるほど美しいものですが、それだけ加工の難易度は上がります。そのため低価格帯に施される仕上げはオートメーション化されたものが主流となり、なかなか高級機のような輝きを得づらいという事実があります。

 

なお、ムーブメントにも丁寧な仕上げが施され、裏蓋や文字盤の肉抜き部分から覗かせる仕様が高級時計にはあります。

もともとムーブメントの仕上げは性能向上のために施されるものでしたが、今ではペルラージュやジュネーブ仕上げといった手の込んだ装飾を施すことで、見て美しい,あるいは特別感を味わえるものとなっています。

 

オーデマピゲ ロイヤルオーク 15400ST

さらに高級時計は文字盤装飾にも余念がありません。

ギョーシェやエンボスと呼ばれる細かな模様を専用機械描くことで工芸品のような美しさを付加したり、針,インデックスの丁寧な意匠によって高級機らしい風格を醸し出します。

 

ちなみに前述した「高級クォーツ」に使用されるクォーツも、低価格帯とは一味異なります。

例えばグランドセイコーでは、3か月間かけてエイジングや特別なテストを重ねられたクォーツ(水晶振動子)のみを採用するという、非常にコストのかかる選定を製品化の条件として挙げているのです。

 

このように、高級時計はカジュアルな価格帯と桁違いに品質が上質です。

もちろん時計に興味のない方にとってみれば「わかりづらい」「満足感が得づらい」と思うかもしれませんが、実は結構時計好き人口は多いもの。なぜなら時計市場は、ますます広がりを見せているためです。

そんな方々から「良い時計着けてるね!」と褒められることはもちろん、ご自身も一度高級時計に触れ、質感を楽しんでみれば、いつの間にか虜になっているかもしれませんね。

 

理由③手厚い保証がある

繰り返しになりますが、高級時計は「末永く愛用する」ことが大前提です。これはメーカー側もよく承知している事実で、そのため高級ブランドの保証は非常に手厚いものがほとんどです。

その一つが、「長期保証」ではないでしょうか。

現在、カルティエやIWCといったリシュモン系列のブランドが、8年保証を打ち出すこととなりました。これは「購入後10年の間、何らかの不具合や故障があったら修理を保証する(条件付き)」というものです。8年も経てば、普通の精密機器は経年で古くなり、問題は発生しますよね。

しかしながら自社の品質に自信があるため、この長期保証に打って出ることができたのでしょう。

ちなみに高級ブランド全体で「長期保証」の傾向があり、ロレックスやオメガ,ブライトリング等が5年保証に乗り出しています。また、メーカーでオーバーホールを受けた個体は、保証期間が延長されたり、新たな保証の対象になったりもします。

さらに、アフターサービスの手厚さも特筆しておかなくてはなりません。

パテックフィリップやオーデマピゲ,ジャガールクルトといった一部の名門ブランドは「永久修理」を謳います。これは、「創業から今に至るまで、自社で製造した製品は永久に修理を受け付ける」というもの。通常、ブランドにはパーツ保有期間があるため、製品の生産終了から一定期間までしか修理を受け付けないものです。

しかしながら高級時計であれば、「末永く使う」が前提であるがゆえに、一生面倒見ると言い切るブランドがあるのです。ブランド側も、家宝としての自社製品の価値を尊重しているのでしょう。

 

※ただし、必ずしも当時のパーツが用いられるとは限りません。

 

もっともパーツ保有期間のあるブランドであっても、人気ブランドであれば修理ノウハウが出回っていることで民間修理会社でメンテナンスが可能なケースもあります。

「使い捨て」になりがちな低価格帯には見られない「コストパフォーマンス」ではないでしょうか。

 

 

理由④購入者の満足度は高い

ロレックス サブマリーナ 126610LN

コストパフォーマンスが悪いと感じる一つの要因として「満足度が得づらい」を何度か挙げていますが、実はそんなこともありません。

と言うのも、実際に初めて高級時計をご購入頂いた方から結構色々なエピソードを伺うのですが、そのいずれも高い満足度を表現しているようなものであるためです。

以下に事例をご紹介すると、

「時計好きの取引先と仲良くなれた」または「時計好きの上司に褒められた」

「海外旅行の際、レストランやホテルで特別待遇をしてもらえた」

「良い一点モノを身に着けることで、なんだか自信が生まれた」

「思わぬ高額で買い取ってもらえた」

などなど…人によっては、「購入をきっかけに時計が好きになった」という方もいらっしゃいます。

 

こういった満足感は、高級時計ならではと言って良いのではないでしょうか。

 

結論に代えて

高級時計のコストパフォーマンスについて、鑑定士が考察してみました!

今回挙げた「コスパの悪い理由」「コスパの良い理由」は人それぞれです。時計好きにとってはコスパは別のところに求めていたり、時計に興味のない層にとっては本稿の理由を知ってもなおコスパを得づらいと感じる方もいらっしゃるでしょう。

しかしながら結論に代えて鑑定士として思うことは、「売却時にこれだけ値段がつくブランド品または精密機器は、高級時計以外にない」ということです。

靴にしろ、バッグにしろ、カメラにしろ、一部個体を覗けば経年で価値が下がってしまい、中には二束三文で買取が行われるものもあります。一方の高級時計は、もちろん状態の良しあしも査定額に影響しますが、それでもなお高額で買取されるケースが多々見受けられます。

この売却時の価値を「リセールバリュー」と呼び、近年では重要視するユーザーが増えてきました。

もし高級時計のコスパは悪いけど、どうしても購入する必要が出てきた。そんな時は、リセールバリューに目を向けてみてもいいかもしれませんね。

文:鶴岡

 

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この記事を監修してくれた時計博士

田中 拓郎(たなか たくろう)

  • (一社)日本時計輸入協会認定 CWC ウォッチコーディネーター
  • 高級時計専門店GINZA RASIN 取締役 兼 経営企画管理本部長

当サイトの管理者。GINZA RASINのWEB・システム系全般を担当している。
時計のマーケットに非常に精通しており、買取相場や買取お役立ち情報はもちろん、リユース業界の報道や最新ニュースなど、幅広い分野で監修に携わっている。
また、スイスで行われる腕時計見本市の取材も担当してきた。得意なブランドはブレゲ、ランゲ&ゾーネ。時計業界歴12年。

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