ロレックス デイトナのステンレスモデルにはブラックとホワイトの2種類がラインナップされていますが、どちらが高く売れるのかを気にする方はとても多いです。
時計本来の楽しみ方としては自分の好きな方を選ぶのがベストですが、投資商品として買われることの多いロレックスの時計に関しては、価値の高い方を買いたいと思うのも頷けます。
そこで今回はデイトナの文字盤に焦点を置き、どちらが高く売れるのか探ってみました。
文字盤選びで迷った場合の参考に、是非ご一読くださいませ。
目次
文字盤の重要性
文字盤は時計の印象を決定する重要なパーツです。
時計の外観に大きな影響を与え、ファッション性すら左右します。
ただ、一般的には文字盤は好みの問題なので、バリエーション違いによって価値が変わることは基本的にありません。
買取価格に関しても、誤差程度の買取価格です。
しかしながらロレックスだけは、その基本が通用しません。
ロレックスの場合は全く同じ時計なのに「文字盤の色」が違うだけで買取価格が変わります。
そればかりか文字盤そのものに大きな価値を持つ個体もあり、他のブランドとは比較にならないほど文字盤に関しては重要です。
特にステンレスのデイトナに関しては2色だけのラインナップでありながらも、買取価格に差が生まれています。
デイトナ 16520 ブラック・ホワイト どっちが高く売れる?
ムーブメントにエルプリメロを搭載する5桁リファレンスのデイトナ「16520」。近年高騰が続いており、圧倒的な資産価値を誇ります。
ブラックとホワイトの2色が展開されていますが、2019年現在においては殆ど両者に差はありません。
年 | ブラック | ホワイト |
---|---|---|
2014年 | 102万円 | 85万円 |
2015年 | 118万円 | 100万円 |
2016年 | 105万円 | 123万円 |
2017年 | 180万円 | 202万円 |
2018年 | 270万円 | 210万円 |
2019年 | 280万円 | 280万円 |
2016年まではブラック人気が優勢でしたが、116500LNの発売後はホワイトが優勢に。
2018年においてはブラックが高騰して一気に差が付きましたが、2019年にはホワイトの価格も高騰。
6月時点の相場はどちらも一緒となっています。
ちなみにブラックには多数のレア個体が存在しますが、通称ブラウンアイ(パトリッツィ)と呼ばれる白いインダイヤルの部分がブラウンに変色した個体の評価は絶大です。
変色の度合いは様々ですがブラウンがより濃いものが高い評価を受けます。
デイトナ 116520 ブラック・ホワイト どっちが高く売れる?
16520の後続機として発売された116520。
ロングセラーとして人気を博した有名モデルですが、こちらは若干ではありますがブラックの方が相場が高い傾向にあります。
ただ、数十万円もの差があった以前と比較すると現在は差が落ち着いており、数万円程度の差です。
年 | ブラック | ホワイト |
---|---|---|
2016年1月 | 121万円 | 108万円 |
2016年6月 | 132万円 | 119万円 |
2017年1月 | 135万円 | 129万円 |
2017年6月 | 151万円 | 146万円 |
2018年1月 | 164万円 | 154万円 |
2018年6月 | 175万円 | 170万円 |
2019年1月 | 195万円 | 193万円 |
交互に高価買取される色が異なった16520とは違い、116520は約5万円ほどブラック優勢の時期が続きました。
ただ、2019年1月の時点ではブラック・ホワイトの差はごく僅かです。
なお、16520においてはブラックにブラウンアイというレア個体が存在しましたが、116520に関してはホワイトにアイボリーダイヤルというレア個体が存在します。
アイボリーダイヤルは時間経過とともに徐々に文字盤がアイボリー色に変化した個体です。変色理由は文字盤製作時のカラー付けに、時間の経過により色が変わってしまう性質の着色料を使用したことが原因とされています。
一見、査定基準としてはデメリットに思えますが、逆にそれが希少な白文字盤のデイトナとして評価されています。
デイトナ 116500LN ブラック・ホワイト どっちが高く売れる?
2016年から現行デイトナとして君臨する116500LN。ステンレスベゼルからセラミックベゼルに変更となり、よりスタイリッシュな印象となりました。
これまでのデイトナはブラック優位の状況が続いていましたが、116500LNに関しては発売当初からホワイトが人気。
16520と116520は両バリエーションの買取価格の差が縮まってきていますが、116500LNに関してはその差は埋まらず、ホワイトの方が高い相場となっています。
年 | ブラック | ホワイト |
---|---|---|
2016年1月 | 162万円 | 161万円 |
2016年6月 | 161万円 | 167万円 |
2017年1月 | 175万円 | 182万円 |
2017年6月 | 195万円 | 208万円 |
2018年1月 | 204万円 | 218万円 |
2018年6月 | 214万円 | 222万円 |
2019年1月 | 218万円 | 230万円 |
ホワイトとブラックの価格差は約20万円。(2019年6月時点)
同じ型番とは思えないほどの価格差があります。
ただ、その分販売価格も高くなるため、投資目的にホワイトを買っても利益的にはブラックと大差ありません。
まとめ
16520・116520はブラックが、116500LNはホワイトの方が買取価格が高い傾向です。
ただ、徐々にその差は埋まっており、2019年に入ってからはその差はごく僅かに縮まっています。
再びブラックがホワイトを引き離す可能性もありますが、もしかしたら逆にホワイトがブラックを上回ることも十分に起こり得ます。
資産価値を考える事も大切ですが、やはり気に入った方を買うのが最高の選択になるでしょう。
この記事を監修してくれた時計博士






池田 裕之(いけだ ひろゆき)
- (一社)日本時計輸入協会認定 CWC ウォッチコーディネーター
- 高級時計専門店GINZA RASIN 買取部門 営業企画部 MD課/買取サロン 課長
1982年生まれ・熊本県出身。
20代でブランド販売店に勤務していく中で、高級時計に惹かれ、その奥深さや魅力を知っていく。29歳で腕時計専門店へ転職を決意し、GINZA RASINに入社。
豊富な時計への知識を活かして販売・買取・仕入れに携わり、2018年8月にはロレックス専門店オープン時、店長へ就任した。販売・買取ともにリピーターが多い。時計業界歴17年。



