昨年はロレックスの相場が高騰しました。
そうすると連鎖的にロレックスの姉妹ブランドである「チュードル」の相場が高騰していくことが予想されます。
この方程式は10年以上前から続いており、今後徐々に相場に動きが出てくるはずです。
今回はチュードルのスポーツウォッチをさらっとご紹介したいと思います。
まずはチュードルについてのおさらい。
チュードルはロレックスの兄弟ブランドとして1930年代に誕生した時計ブランドです。
ちなみにチュードルは兄弟のうちどちらかだと聞かれれば、弟の方といえます。
いわゆる廉価版という立ち位置。
では何がロレックスと違うのでしょうか。
ざっくり言うと搭載している「ムーブメント」が違います。
ロレックスがマニュファクチュール製法で自社ムーブを使用しているのに対し、
チュードルはスイス時計の伝統的な製法であるエタブリス―ル製法で、ETAなどの汎用ムーブを使用している点です。
エタブリス―ルの方がコストが抑えられる分、売価設定も安くできるので販路を拡大しやすいというわけです。
ここで一つ面白いところは、ただ単に販路拡大による利益の増加のみを求めていたのではなく、チュードルが広く知れ渡ることによって結果「ロレックスの宣伝になる」という狙いも含まれていた点です。
左:ロレックス サブマリーナ 116610LN /チュードル サブマリーナ 79090
どういうことかと言いますと、初期のチュードルは外装部品がロレックスと共通のものが使用されていました。
つまりオイスターケースが採用され、リューズには王冠マーク。ブレスも同様に王冠マーク。
さらには裏蓋に「ORIGINAL OYSTER CASE BY ROLEX GENEVE」という、もろに宣伝めいた刻印までされた時代もありました。
何の時計してるの?となれば、パッと見はロレックスです。
見慣れたオイスターケースに王冠マーク入りの外装部品ですから。
でもよく見るとチュードル。
「なにそれ?」「いや、実はね・・・」なんていう会話が、おそらくこの頃からずっとなされてきたのでしょう。
そのチュードルも今やすっかり市民権を得て、ロレックスからは独立したスタンスを確保しました。
1990年代からブレスがチュードルの盾マークに変わり、2000年代からはリューズも盾マーク、裏蓋の「ORIGINAL OYSTER CASE BY ROLEX GENEVE」刻印は「TUDOR」刻印へと変化していきました。
新生チュードルとも言えるその時代、今までとは全く異なる新しいデザインのモデルをいくつも投入しましたが、結果はあまりパッとせずだったのでしょう。中古市場でもそんなに見かけません。
しかしここ数年はチュードル黄金期とも言える1960-1990年代のモデルの復刻を連発しており、これが結構ヒットしているようです。
市場でも活発に取引されているようです。
2017年新作のヘリテージ ブラックベイシリーズ 79540 /79733N
復刻モデルが出るということは、それだけ当時のオリジナルのモデルに人気がある証拠です。
マニアックなだけでは売れませんから、メーカーも市場で何に人気が集まっているかは把握しています。
これからチュードルを買うのなら、この辺りが狙い目だということでしょう。
チュードルのスポーツウォッチ① サブマリーナ
【第一世代 バラサブ】
Ref.7922 1stモデル 1954年 自動巻 Cal.390 リューズガードなし MMダイヤル 100m防水
出典:https://www.tudorwatch.com/
Ref.7923 手巻モデル 1955年 手巻 Cal.1182 ストレート針 先丸秒針 MMダイヤル 100m防水
出典:https://www.tudorwatch.com/
Ref.7924 ビッグクラウン 1958年 自動巻 Cal.390 MMダイヤル 200m防水
出典:https://www.tudorwatch.com/
(ここまで真鍮ベゼル。以降SSベゼル)
Ref.7928
S.C.G.(SQUARE CROWN GUARDS) 1959年 自動巻 Cal.390 MMダイヤル 200m防水 裏蓋オイスター刻印
出典:https://www.tudorwatch.com/
P.C.G.(POINTED CROWN GUARDS) 1961年 自動巻 Cal.390 200m防水 裏蓋オイスター刻印
出典:https://www.tudorwatch.com/
トロピカル 1964年 自動巻 Cal.390 200m防水 裏蓋オイスター刻印 ラウンドクラウンガード
出典:https://www.tudorwatch.com/
マットダイヤル 1967年 自動巻 Cal.390 200m防水 裏蓋オイスター刻印 ラウンドクラウンガード
出典:https://www.tudorwatch.com/
【第二世代 盾ロゴ】
Ref.7016 イカ針 ノンデイト 1969年 自動巻 Cal.390 or Cal.2483 200m防水 裏蓋オイスター刻印 ラウンドクラウンガード
出典:https://www.tudorwatch.com/
Ref.7021 イカ針 デイト付き 1969年 自動巻 Cal.2484 200m防水 裏蓋オイスター刻印 ラウンドクラウンガード
出典:https://www.tudorwatch.com/
Ref.9401 イカ針 ノンデイト 1970年代半ば 自動巻 Cal.2776 200m防水 裏蓋オイスター刻印 ラウンドクラウンガード ブルー誕生
(のち、Ref.9411 ハック付き デイト付き ブルー誕生)
出典:https://www.tudorwatch.com/
Ref.79090 △インデックス 1989-1993年 ベンツ針 自動巻 Cal.2842-2 リューズやバックルがチュードルに?
Ref.79190 サファイヤガラス 1995年 フチ有りインデックス 自動巻 Cal.? フチなしも有り?
出典:https://www.tudorwatch.com/
チュードルのスポーツウォッチ② クロノタイム
【第一世代 クロノタイム】
1970年 手巻 Cal.7734 2つ目 ホームベース 50m防水
Ref.7031 プラタキ
出典:https://www.tudorwatch.com/
Ref.7032 SSタキ
出典:https://www.tudorwatch.com/
Ref.7033 回転ベゼル
出典:https://www.tudorwatch.com/
【第二世代 モンテカルロ】
1971-1976年 手巻 Cal.7734 2つ目 ホームベース
Ref.7149 プラタキ
出典:https://www.tudorwatch.com/
Ref.7169 回転ベゼル
出典:https://www.tudorwatch.com/
【第三世代 ビッグブロック(カマボコケース)】
エキゾチックダイヤル有り ブルーダイヤル有り
1976-1991年 自動巻 CaL.7750
Ref.9420(Ref.79160) プラタキ
出典:https://www.tudorwatch.com/
出典:https://www.tudorwatch.com/
【第四世代 オイスターデイト→プリンスデイト】
タイガー? ポリッシュ?ジュビリー?
1995-2000年 自動巻 Cal.7750
Ref.79260 プラタキ
出典:https://www.tudorwatch.com/
Ref.79280 回転ベゼル
出典:https://www.tudorwatch.com/
2000年以降はプリンスデイト表記
チュードルのスポーツウォッチ③ レンジャー
Ref.7995 バラ 1697年 自動巻 Cal.2483
出典:https://www.tudorwatch.com/
最後に
今回は歴代のチュードルスポーツモデルを網羅してみました。
個人的には
ロレックスのSSモデルでは存在しない青文字盤のサブ。
イカ針やタコ針。
クロノタイムのビッグブロッグ。
レンジャー辺りが狙い目かと思っています。
買取もやっておりますのでお持ちの方はお問合せください。
ちなみにクロノタイムの79160と79170と79180がそれぞれ、箱ギャラ付き、裏シール付きで入荷してます。
こんなことは滅多に起こらないので一度状態を確認しにきてください。