ロレックスを売る前にオーバーホールはするべきか？

ロレックスを売る際、ご自身でメーカーや修理業者にオーバーホールを依頼してから、買取に持ち込まれる方が多いです。

確かにオーバーホールが施された時計は、買い取った後にメンテナンスを施す必要がないため、査定額は上がります。

しかし、売りに出す側が得をするかというと、それは否です。

今回はロレックスの正規オーバーホール料金を例に、買取前のメンテナンスの損得について解説いたします。

 

ロレックスを売る際にオーバーホールは不要

まず結論をいうと

ロレックスを売る際にオーバーホールをしてから売りに出す必要はありません。

何故ならば、オーバーホールによる査定アップ額よりも、ロレックスのオーバーホール代の方が高くなってしまうからです。

 

思っているほど査定アップされない理由

査定アップを狙い、オーバーホールをしてから売りに出したけど、思ったよりも査定アップしなくてガッカリした。という声をよく聞きます。

それもそのはず、オーバーホールをしてからロレックスを持ち込んでも「1万円」ほど上乗せされれば良い方であり、オーバーホール料金の方が高くついてしまうのです。

 

しかし、何故オーバーホールをしても査定額があまり上がらないのでしょうか？

その理由は個人と業者の修理費の違いにあります。

買取店は、自社で再販売する仕組みをもっており、コストを抑えて販売につなげるために、自社または提携工房にてメンテナンスを行います。

自社で修理を行えばコストは人件費のみですし、提携工房でメンテナンスしても「業者価格」でメンテナンスを行えるため、個人のオーバーホール価格よりも遥かに安い価格で修理が行えます。

そのため、ロレックスを売ろうと考えている方が「最高のコンディションにした！」と思っても、実は買取業者はその費用の半分以下で修理・メンテナンスを行うことができるため、自社かかるコスト分しか上乗せすることはできないのです。

 

モデル別ロレックスの正規オーバーホール代

参考としてロレックスの正規オーバーホール代金をモデル別に掲載いたします。

モデル	主な型番	基本技術料
デイトナ	Ref.116500LN　Ref.116520　Ref.16520	6万円
エクスプローラーI	Ref.214270　Ref.114270　Ref.14270	4万3000円
エクスプローラーII	Ref.216570　Ref.16570	4万5000円
GMTマスター	Ref.116710　Ref.16710　Ref.16700	4万5000円
サブマリーナ	Ref.114060　Ref.14060M　Ref.14060	4万4000円
サブマリーナデイト	Ref.116610　Ref.16610	4万5000円
シードゥエラー	Ref.116600　Ref.16600	4万5000円
ディープシー	Ref.116660　Ref.126660	5万5000円
ヨットマスター	Ref.116622　Ref.16622	4万5000円
ヨットマスターII	Ref.116680	8万円
ミルガウス	Ref.116400GV　Ref.116400	4万5000円
デイトジャスト36	Ref.116200　Ref.16200	4万4000円
デイデイト36	Ref.118238　Ref.18238	5万5000円
スカイドゥエラー	Ref.326938　Ref.326135	9万円

※基本技術料は2019年1月現在の価格となっています。

この料金はあくまでも基本技術料のみの話であり、通常はさらに細かな調整費やパーツ代がかかります。スカイドゥエラーやヨットマスターIIといった複雑な機構をもつモデルであれば10万円以上の修理・メンテナンス費がかかることも珍しくないでしょう。

このオーバーホール代を買取金額に上乗せしてほしいと頼んだところで、買取業者は首を縦に振ることはありません。

先ほど申し上げた通り、約1万。かなり頑張っても2万円ほどしか上乗せすることができません。

修理費が高いモデルであればもう少し上乗せすることも可能ですが、その場合ユーザー側の修理費も高くなるため、結局は損をしてしまいます。

 

最後に

正規オーバーホール代をご覧いただければお分かりいただけると思いますが、オーバーホールをしてからロレックスを売りに出して得をすることはまずありません。

もし、手持ちのロレックスを売りに出したいと思った時は、付属品を揃え、外装のみを綺麗にしてからお持ち込みください。