ロレックス屈指の人気を誇るコスモグラフ デイトナ。
人気に比例して相場を上げ続けており、ここ数年はロレックス随一の価格高騰ぶりを発揮してきました。
デイトナは販売価格は高くてもリセールバリューも同時に高いと言われますが、ここまで高騰してしまうとおいそれとは手が出しづらいもの。
でも、現在価格高騰の主役を担っているのは、ステンレススティールモデルです。逆に、ゴールドモデルはまだ価格を上げ切っていません。とは言えゴールドは定価が高いため、相対的に実勢相場も高くなりがち。
そんな中での狙い目がステンレススティール×ゴールドのコンビデイトナです。ロレゾールとも言われますね。
実はコンビデイトナは、定価はもちろんSS製より高いですが、並行輸入市場ではSS製よりも安いという、逆転現象を起こしています。さらに中古市場ともなると、かなりお得度が上がることに・・・!かと言ってリセールバリューが低いわけではないので、売るも買うもよしの狙い目モデルと言えます。
この記事では、デイトナのコンビモデルの「お得度」について解説いたします!
※掲載する情報は2022年1月現在のものとなります。
目次
なぜデイトナ コンビがロレックスの中で狙い目なのか?
冒頭でもご紹介した通り、現在のロレックス相場高騰の牽引役はステンレススティール製デイトナ 116500LNです。
定価は税込1,609,300円ですが、黒文字盤の実勢相場は470万円台~・白文字盤は530万円前後~!当然買取価格も高額で、黒文字盤の中古モデルの定額買取価格は当記事執筆時点で400万円、白文字盤で450万円。きわめて高い買取率を誇ります。
ちなみに中古でも定価の倍以上の金額で買取されている現状ですが、それでも積極的に欲しいという買取店は後をたちません。
なぜ、こういった中で、デイトナのコンビモデルが狙い目なのでしょうか。その理由は三つあります。
理由①まだ価格が上がりきっていないから
まず一つ目の理由としては、コンビデイトナは価格を上げ切っていないため。
冒頭でもご紹介したように、デイトナのコンビモデルの定価は、現行116503を例にとると税込1,993,200円です。SS製の116500LNよりも40万円近く高い価格帯となります(最近では定価改定により、価格差が縮まっていますが)。
しかしながら116503の実勢相場はと言うと、文字盤カラーにもよりますが、新品・未使用品で350万円前後~。中古であれば310万円程度で入手できる個体が少なくありません。
一方で買取相場は決して低くはなく、当店ではコンビデイトナの中では一番人気の黒文字盤だと未使用品300万円、中古品でも290万円の定額買取にてご案内しております(2022年1月現在のキャンペーン価格)。
確かに116500LNと比べると落ち着いている感はありますが、買取率(換金率)は並行輸入品を購入していたとしても、おおむね80%前後と、数ある高級時計の中では「オイシイ」立ち位置でしょう(もし正規店で定価にて購入できていたのなら、大きく得することとなりますね)。
中古市場になると、さらに断然お得です。
生産終了品に目を向けると、SS製の先代116520もその一つ前の16520も価格が急激に上昇しており、300万円が当たり前・中には500万円をゆうに超える個体が存在します。
コンビデイトナの116523および16523は、平均的な相場は210万円~320万円台(シェル文字盤や、高年式個体だと価格は上がります)。仮にもゴールドを使っているにもかかわらず、とてもお得ですよね。
でも、中古だと性能が心配・・・そんな方への朗報が、二つ目の理由として挙げられます。
理由②耐久性・メンテナンス性が高いから
スペックはSS製もコンビもゴールドも変わりません。つまり、コンビデイトナはハイエンドラインとは言え、性能面では他のスポーツロレックス同様にハイレベルである、ということです。
ブランドの中にはハイエンドモデルには繊細な扱いを求めるところも存在しますが、ことロレックスに関しては区別していません。
ロレックスの性能の高さは多くの業界人が太鼓判を押していますが、その理由に「耐久性・メンテナンス性が高い」ということが挙げられます。
耐久性が高いということは、日常でガンガン使っても高性能を発揮する、ということ。さらにメンテナンス性が高いというのは、オーバーホールや調整がしやすく、年月を経ても末永く愛用していけることに繋がります。
ロレックスは実用時計の最高峰として、量産しやすいムーブメント開発を心掛けてきました。そのためメンテナンスノウハウが比較的出回っており、メーカーにしろ民間にしろ、修理を委託しやすいのも嬉しいところですね(もちろん民間は信頼できるところ限定ですが)。
つまり、生産終了したモデルを中古市場で購入したとしても、メンテナンスが施されていることで、日常使いに問題のない個体が豊富に出回っている、ということです。
なお、詳細は後述しますが、SS製デイトナとコンビデイトナは、歴史的に足並みを揃えてリリースされてきたため、性能は歴代モデルで同一です。
1988年。
エルプリメロをベースに、ロレックス初となる自動巻きクロノグラフムーブメントを搭載して堂々リリースされた16520。それと同時に、デイトナ初のコンビモデルとしてリリースされたのがSS×YGの16523でした。
その後2000年。
ロレックス初の自社製クロノグラフムーブメントCal.4130へ移行して116520へとデイトナはモデルチェンジを果たしますが、同時にコンビデイトナも116523へとリファレンスを変えることとなります。
さらに時代が下って2016年。
セラクロムベゼルを搭載して生まれ変わった現行116500LNと同時に、昔ながらのメタルベゼルながら、デザインを変えた116503が誕生しました。
このように、基本的にSS製デイトナとコンビデイトナはタイミングを合わせてリリースが行われてきました。
そのためSS製デイトナよりも安く買えるのに性能は全く同じで、かつ末永く使えるお得感を有するのがコンビデイトナと言えます。
ちなみに、性能は同一でSS製にはない華やかさ・ゴージャス感があるのも魅力の一つであると付け加えておきます。SS製と比べて文字盤カラーが豊富で、かつ定番外しのため人と被りづらいのも良いですよね!
理由③今後価格高騰するポテンシャルがあるため
理由の三つ目は、コンビデイトナもまた今後相場を上げる可能性が高いためです。
時計の相場が急激に動く時というのは、上記の116500LNように、要となる人気モデルが一気に高騰します。
116500LN以外だと、同じくステンレススティール製で、二世代前の16520なんかも相場上昇が著しいですね。また、レア仕様を挙げるとすれば、16520の最終P品番・A品番や、16520の初期モデルの200タキ・段落ち・逆6などです。
こういった個体がグンと上がると、次にそれに準ずる特徴を持ったモデルが釣られて値上がりします。
例えば一世代前のSS製デイトナ 116520のランダム番や、16520の段落ちでははない普通の逆6ダイアル,T表記のダイアルあたりですね。
そうして最後に、特別レア仕様や特徴のない通常モデルもいつのまに値上がりしている・・・
デイトナのコンビモデルは、この過渡期にいると言えます。
つまり、今後現在のSS製デイトナの相場上昇に釣られて、同程度またはそれ以上の相場高騰を果たすポテンシャルがある、ということです。
もっとも、既にコンビデイトナはジワジワ値上がりしています。
例えば前述した黒文字盤の現行116503ですが、2017年~2018年にかけては140万円前後の買取相場でした。販売価格も当時は新品180万円前後で、ほんの数年程度で100万円以上も値上がりしていることを意味します。
インデックスにダイヤモンドがセッティングされた116503Gなども、どんどん相場を上昇させています。
こういった背景から、少しでもお得にデイトナを買いたい!あるいはデイトナの今後のリセールバリューに期待して買いたい!という方に、断然オススメなのがコンビデイトナと言えるでしょう。
なお、「いつ売るか」問題ですが、今後の相場が必ず上がる、とは言い切れません。
現在の上昇傾向を加味すれば、今後も相場高騰するであろうと予測を立てることはできますが、2020年に入ってからの新型コロナウイルス等社会情勢により、ロレックス相場は読みづらい状況となっていることも事実です。
ただ、一つ言えることは、時計は精密機器である、ということ。
「さらなる相場高騰に備えて寝かせておく」というのもアリですが、基本的に精密機器は新しいものほど価値を持ちます。メンテナンスせずに長年放っておくと内部で油が固着してしまう等の不具合が出る可能性もございますので、今所有していて、使っていないコンビデイトナがあるなら、早めにご売却することをオススメいたします。
ロレックス デイトナ コンビの各モデル一覧
現行・生産終了モデルを含めた、ロレックス デイトナ コンビの各モデルをご紹介いたします!
デイトナ コンビ 116503
ケースサイズ:直径40mm×厚さ12.5mm
素材:ステンレススティール×イエローゴールド(ロレゾール)
駆動方式:自動巻き
ムーブメント:自社製Cal.4130
パワーリザーブ:約72時間
防水性:100m
文字盤:黒・白・シャンパン等
製造年:2016年~
現行コンビデイトナの116503です。
116500LNと同時にリリースされた形となります。
116500LNはセラクロムベゼルを携えたことで大きな話題となりましたが、コンビデイトナもまたベゼルのデザインが変更されました。
左:旧型116523 / 右:現行116503
メモリのプリントが太く濃くなっており、また▼マークによって視覚的なインパクトが強まっていますね。
このデザインは116503が初というわけではなく、オールホワイトゴールドの116509(2004年~)等で用いられてたコードとなります。
また、ムーブメントは前世代の116523と同一のCal.4130が搭載されていますが、実はロレックスは2015年頃からムーブメント規格について見直しを行っており、従来品より高精度な「Superlative Chronometer(高精度クロノメーター)」という独自規格認定機を採用することとなりました。
これによって、前世代のムーブメントよりも、約二倍以上もの高精度を実現した、とのことです。
現行の文字盤カラーは黒・白・シャンパンです。
SS製デイトナほど文字盤カラーによる実勢相場の違いはありませんが、一番人気は黒文字盤です。ただ、コンディションにもよりますが中古ならおおむね190万円台~200万円台、新品であれば220万円前後~が実勢相場となっております。
なお、生産終了となりましたが、116503にはブルー文字盤にアラビア数字という、独創性高い文字盤カラーが存在しました。
発売当初は「定番外し」のためか黒・白と比べると実勢相場は低かったですが、今ではそのデザイン性の高さと稀少性が着目されており、ジワジワ相場を上げていっているコンビデイトナの一つとなっております。
デイトナ コンビ 116503G
ケースサイズ:直径40mm×厚さ12.5mm
素材:ステンレススティール×イエローゴールド(ロレゾール)
駆動方式:自動巻き
ムーブメント:自社製Cal.4130
パワーリザーブ:約72時間
防水性:100m
文字盤:黒・シャンパン等
製造年:2016年~
前項でご紹介した116503の、インデックスにダイヤモンドがセッティングされた華やかなモデルです。
ダイヤモンドという、世界で最も有名な貴石がついているにもかかわらず、中古なら実勢相場が220万円前後~とSS製よりやはり値上がりしていない、稀有な存在です。
さらにハイエンドのシェル文字盤 116503NGと併せて、「華やかなモデルが欲しい」「人と違ったデイトナが欲しい」と言った方にオススメです。
ちなみに116503G ブラック文字盤は2021年にマイナーチェンジしています。
インダイアルのサークル部分がゴールドに彩られ、華やかな印象に。なお、この仕様は後述するRef.16523などでも見られた、往年のデザインコードとなります。
デイトナ コンビ 116523
ケースサイズ:直径40mm×厚さ12.5mm
素材:ステンレススティール×イエローゴールド(ロレゾール)
駆動方式:自動巻き
ムーブメント:自社製Cal.4130
パワーリザーブ:約72時間
防水性:100m
文字盤:黒・白・ブルー・シャンパン等
製造年:2000年~2016年
ロレックス初となる自社製クロノグラフCal.4130を搭載した、記念すべきデイトナ コンビです。ハック機能が追加され、また、パワーリザーブも52時間から72時間へと延長されました。
その他では視認性の向上が図られたり、ブレスレットがフラッシュフィット一体型のダブルロック機構になったりと、より現代的なスペックへアップデートされたモデルでもあります。
116503は、コンビデイトナ屈指の文字盤バリエーションを誇ることでも有名です。
定番の黒・白・シャンパンはもとより、グレーやホワイト×ブラックのパンダダイアル等がラインナップされています。
派生モデルが多いため比較的価格が安定しており、個体によっては150~160万円台で入手できる、お得なコンビデイトナです。
なお、116523はSS製の116520同様に製造期間が長いため、随所にアップデートが加えられてきました。
例えば2006年頃から入りだしたルーレット刻印。これは文字盤インナーのガラスが埋め込まれた箇所に、ROLEXとシリアルが刻まれるようになった仕様です。
左:旧型バックル / 右:現行バックル
その他では後年、バックルのクラスプ部分にロレックスのロゴが配されたり、2015年頃からは梨地からポリッシュ仕上げへと変更されていたりします。
こういった細かな仕様が体系化されて、今後コンビデイトナの中でもきわめて高い相場を築くモデルが出てくるかもしれません。
なお、最終品番にあたるランダム番は、製造年が新しいことからも既に価格が上がっており、200万円超えのものも存在します。
デイトナ コンビ 116523G
ケースサイズ:直径40mm×厚さ12.5mm
素材:ステンレススティール×イエローゴールド(ロレゾール)
駆動方式:自動巻き
ムーブメント:自社製Cal.4130
パワーリザーブ:約72時間
防水性:100m
文字盤:黒・白・シャンパン等
製造年:2000年~2016年
同じくCal.4130を搭載した、ダイヤモンド付きのコンビデイトナ 116523Gです。
スペックや仕様変更は前述した116523に準じますが、やはりダイヤモンドがセッティングされていることで特別な存在感を示しますね。
なお、現行品と同じようにシェル文字盤もいくつかラインナップしており、まだそこまで価格を上げていません。
比較的流通しているので、気になる方は中古市場から良い個体を探してみましょう!
デイトナ コンビ 16523
ケースサイズ:直径40mm×厚さ12mm
素材:ステンレススティール×イエローゴールド(ロレゾール)
駆動方式:自動巻き
ムーブメント:自社製Cal.4030
パワーリザーブ:約52時間
防水性:100m
文字盤:黒・白・シャンパン等
製造年:1988年~2000年
デイトナ史上初となる、コンビモデルとして誕生したのがこちらの16523です。
ゼニスが誇るエルプリメロベースのCal.4030を搭載しており、同時期にリリースされた16520と併せて初自動巻きクロノグラフモデルでもあります。
プラスティックベゼルからメタルベゼルへ、50m防水から100m防水へ、等と耐久性の向上も前世代6263または6265から図られており、年式が古くても普段使いできる個体が豊富に出回ります。
一方で年代ゆえにどんどん状態の良い個体が減っていっており、年々稀少価値が高まっています。SS製の16520などは、300万円超えが普通になりつつあります。しかしながらコンビであればまだ160万円台~購入できるものも。
ただし、16520の価格高騰を見ると、今後16523も同じような上昇ラインを描くかもしれません。そのため今買っておきたいモデルのうちの一つです。
なお、ダイヤモンドがセッティングされたモデル・シェル文字盤モデルも存在しております。
まとめ
ロレックスの中でも価格高騰が凄まじいデイトナですが、まだお得なコンビモデルについてご紹介いたしました!
文中でも言及したように、今後相場高騰する可能性があります。二世代前の16523等、年々稀少性が高まるモデルはもちろん、現行116503などもジワジワと価格が上がっています。
現在所有している方も、これからリセールバリューに期待して購入する方も、ぜひチェックしておきたいロレックスとなっております。
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この記事を監修してくれた時計博士
池田 裕之(いけだ ひろゆき)
- (一社)日本時計輸入協会認定 CWC ウォッチコーディネーター
- 高級時計専門店GINZA RASIN 買取部門 営業企画部 MD課/買取サロン 課長
1982年生まれ・熊本県出身。
20代でブランド販売店に勤務していく中で、高級時計に惹かれ、その奥深さや魅力を知っていく。29歳で腕時計専門店へ転職を決意し、GINZA RASINに入社。
豊富な時計への知識を活かして販売・買取・仕入れに携わり、2018年8月にはロレックス専門店オープン時、店長へ就任した。販売・買取ともにリピーターが多い。時計業界歴17年。