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オーデマピゲ・パテックフィリップ・ヴァシュロン買取強化

ロレックス, 価格高騰モデル, 時計の雑学

124270・214270・114270・14270。今買うべきロレックス エクスプローラーIはどれ?

みんな大好きロレックス エクスプローラーI。

とにかくシンプルで視認性に何の問題もない顔立ち,ロレックスらしい堅牢なケース・ブレスレット,信頼性の高いムーブメント・・・

「実用時計の王者」とロレックスが呼ばれてきたエレメント全てを詰め込んだ、弱点のないスポーツウォッチですね。

現行モデルは2010年より長らくRef.214270でしたが、生産終了してRef.124270へとモデルチェンジ!一方で先代の114270,そして先々代の14270とともに市場に比較的よく流通しており、そのいずれも変わらぬ人気を誇っていることからも、エクスプローラーIの実力の高さが伺い知れるものです。

 

「でも、正直どのエクスプローラーIも見た目が同じで、どれを選んでいいかわからない・・・」

「価格高騰しているエクスプローラーIがあるって本当?」

こんなお問合せを頂くことがあります。

いったい、私たちはどのリファレンスを買うべきなのでしょうか。

そこでこの記事では、エクスプローラーI屈指の人気モデル124270・214270・114270・14270について解説するとともに、ロレックスの買取に携わっている立場から、今買うべきエクスプローラーIをピックアップしてみました!

ロレックス エクスプローラーI 214270

 

ロレックス エクスプローラーI とは?

エクスプローラーIは、1953年にロレックスから生み出されたプロフェッショナルライン(スポーツモデル)です。ちなみにサブマリーナと同期です。

 

「探検家」という勇ましい名前を持ちますが、他のスポーツロレックスと大きく異なるのが、どちらかと言えばドレスウォッチに近いようなシンプルな顔立ちを持つことです。

回転ベゼルなどは持たず、またブラック文字盤も3・6・9にアラビア数字を、その他はバーインデックスをセッティングし、そこにベンツ針を組み合わせるという意匠となっており、無駄の一切を省いていることがわかります。

しかしながらこのエクスプローラーIは控えめで上品な外装とはうらはらに、いくつかの華やかなエピソードで知名度を高め続けていった存在でもあります。

その最たるものは、登山家の故エドモンド・ヒラリー卿の偉業に携行された、というものでしょう。

ロレックス エクスプローラーI 214270

出典:https://www.instagram.com/rolex/

ヒラリー卿は1953年、世界で初めてエベレスト登頂に成功した人物として高名ですね。この時パーティーに同行していたカメラマンが、エクスプローラーIのプロトタイプを着用していました。そこでロレックスは「エベレストという過酷な環境下においても、時計本来の真価を発揮できる時計」としてエクスプローラーIを打ち出し、見事「堅牢」「高性能」といったイメージを世間に植え付けることに成功します。エクスプローラーIの「探検家」の名前に恥じぬ実力を示せた、というわけですね(もっとも後年、実際に携行されたのはオイスターパーペチュアルであったことが判明しています)。

さらに日本国内では、1997年に放映された月9ドラマ『ラブジェネレーション』で、木村拓哉さんがエクスプローラーI(当時は14270)を身に着けていたことから一気に人気爆発。

それまで国内の並行相場では30万円程度であったエクスプローラーIですが(ちなみに当時の定価は37万円程だった)、その倍以上ともなる60万円の急騰を遂げることとなりました。

ロレックス エクスプローラーI 14270

※木村拓哉さんが着用していた14270

 

このように、シンプルな外観とはうらはらに知名度は抜群のエクスプローラーIは、人気という意味でもロレックス随一。

当店でも、例年必ずロレックスの売上ランキングで上位3位に入るほどよく売れる商品で、在庫を切らせないために常時積極買取を行っております。

なお、前述の通りエクスプローラーIの誕生は1953年とされており、間もなく60年を迎えようとするほどのロングセラーです。

デザイン面でも初代から意匠を受け継いだシンプルさが活きており、またロレックスの中では流通量が多いことから、初期の超レア個体を除けばどの年代のモデルも比較的手に入れやすいという特徴もあります。

一方、「人気」と言った時に挙げられるのが、現行124270、2021年に生産終了した214270、その先代の114270、さらに先々代の14270です。

次項で、それぞれを解説いたします。

 

124270・214270・114270・14270。歴代エクスプローラーIを解説

次に、歴代エクスプローラーIを、新しい順にご紹介いたします。

 

エクスプローラーI 124270

ロレックス エクスプローラーI 124270

SPEC

素材:ステンレススティール
ケースサイズ:直径36mm×厚さ約11.5mm
駆動方式:自動巻き
ムーブメント:Cal.3230
製造期間:2021年~
参考定価:860,200円(税込)

 

2021年に発表された、最新世代のエクスプローラーIが、こちらのRef.124270です。

近年のロレックスの傾向として、ムーブメントをCal.3100系から新世代のCal.3200系へとシフトしていっている、ということが挙げられます。Cal.3100は1980年代後半からロレックスの実用性やメンテナンス性を下支えしてきた紛れもない名機ですが、さらに新ムーブメントではパワーリザーブが約70時間に延長(従来品の多くが約48時間でした)。さらに耐磁性能や耐衝撃性能への備えがデフォルトで行われるなど、いっそう優れた実用性を有するに至っております。

ロレックス エクスプローラーI 124270 買取相場

エクスプローラーIもまた、2021年のモデルチェンジで以て、新世代ムーブメントCal.3230へと移行を果たしました。

 

しかしながら、この新作の大きな変化は内部にだけ留まりません。

「変化」と述べましたが、あるいは「復刻」か。先代Ref.214270では39mmであったケース直径を、Ref.124270では36mmにダウンサイジングしたのです。

さらに文字盤レイアウトも、Ref.214270とは異なるものとなりました。

このサイズ・レイアウトは、先々代のRef.114270に範を取っていると思われます。Ref.114270についても本稿で後述致しますが、2001年~2010年まで製造されたエクスプローラーIとなります。最新世代のリファレンスが124270と、Ref.114270を踏襲していることも伺えますね。

114270と124270

近年、時計業界の一つのトレンドとして、「クラシック回帰」「復刻」といったものがあります。

よく「流行は繰り返す」などと申しますが、時計業界でも往年のデザインや雰囲気が今なお人々に愛されているがゆえ、現代技術で復刻させる向きがあるのです。「小径ケース」もその一つ。近年では40mmオーバーのケースサイズも少なくありませんが、かつてはメンズであっても32mm~36mm直径が主流でした。

そのため小径ケース人気がにわかに高まっており、ロレックスでも往年の36mmサイズが復活したというわけです。

エクスプローラーIのシンプルな顔立ちがスーツの袖口から覗く様は、非常にエレガントですよね。

ロレックス エクスプローラーI 124270

また、ロレックスの近年の新作動向のもう一つとして、ケース・ブレスレットの再設計といったものがあります。これはラグがシャープになり、またブレスレットにもテーパーが効く、といった特徴を有します。この効果によって、いっそうエレガントな、スタイリッシュな意匠を実現することとなりました。

重量はRef.114270時代よりも重くなっておりますが、ケース・ブレスレットのバランスが良いこと。またバックル部分で微調整が可能なことから、快適な着用感を提供してくれているのも、ロレックスらしい心遣いです。

 

ちなみにエクスプローラーではきわめて珍しいイエローロレゾール(ステンレススティールとイエローゴールドのコンビ Ref.124273も、2021年に同時リリースされました。

ロレックス エクスプローラーI 124273

エクスプローラーではRef.5501等、ごく一部の個体にしか見られないコンビというコンセプトは、大ヒット。Ref.124270と並んで、よく出回るようになってきている昨今、非常に高い人気を誇っております。

Ref.124270の国内定価は860,200円、Ref.124273は1,397,000円です(いずれも税込)。

 

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エクスプローラーI 214270

ロレックス エクスプローラー 214270

SPEC

素材:ステンレススティール
ケースサイズ:直径39mm×厚さ約11mm
駆動方式:自動巻き
ムーブメント:Cal.3132
製造期間:2010年~2021年(2016年にマイナーチェンジ)
参考定価:687,500円(税込)

 

2010年に発表されたエクスプローラーIが214270です。

前項でもご紹介したように、エクスプローラーIは基本的に初代意匠を踏襲しており、そのデザインを大きく変えていません(多くのスポーツロレックスに言えることでもありますが)。

そのためエクスプローラーIらしい、無駄の一切を省いたシンプルスタイルは依然として受け継がれてきました。

しかしながら214270が、明らかに歴代エクスプローラーIと異なる面があります。

それは、ケースサイズが39mmとなったこと。エクスプローラーIは長年36mmサイズが主流だったのですが、214270に至ってサイズアップが図られることとなりました。

ロレックス エクスプローラーII 214270

サイズアップとは言え、大きすぎるということはありません。

214270がリリースされた当時は「デカ厚ブーム」の真っ只中。そのため巷には43mmとか45mm等のビッグケースが出回っていたため、むしろ今なお214270は上品の部類に入ります。

また、エクスプローラーIは機能もシンプルゆえにきわめて薄く、全体的にスタイリッシュな印象を有しており、214270でよりいっそうスーツを着用することの多い現役ビジネスマンをトリコにすることとなりました。

時分針とアラビア数字のインデックスが、ロジウムプレート仕上げが施されたホワイトゴールド製という高級感も、控えめな風格が感じられますね。

エクスプローラーI 214270

さらに搭載するムーブメントCal.3132は先代のCal.3130を大いにアップグレードさせたものです。

前述の通り、もともと31系のムーブメントの評価はきわめて高く、先代のCal.3130も長らく名機としてオイスターパーペチュアルやサブマリーナで活躍してきました(詳細は後述)。

しかしながらCal.3132は、よりエクスプローラーIの「冒険家」というコンセプトを訴求した形となります。

どういうことかと言うと、ロレックス独自の耐震装置「パラフレックス・ショックアブソーバー」および高性能「ブルー・パラクロムヒゲゼンマイ」が新たに装備されていることがミソです。

パラフレックス・ショックアブソーバーは従来の耐震バネの仕様を新たに板バネとしたもので、従来型より50%も耐衝撃性を向上させた画期的な機構です。現在のロレックスでは主流となりつつありますが、実は初めて採用されたのが214270からでした。

ロレックス ムーブメント Cal.3132

ブルー・パラクロムヒゲゼンマイとは、ニオブ(Nb)とジルコニウム(Ar)なる特殊合金から構成されたヒゲゼンマイです。「高耐磁性」「低温度係数」が取り上げられますが、この二つのうちとりわけ注目されているのが耐磁性能です。

時計と磁気帯びは切っても切れない関係にあります。そこでロレックスは、ムーブメントパーツの中でも磁気の影響を受けやすいヒゲゼンマイに対策を採ることで、精度への影響を最小限に留めることとします。結果として生まれたブルー・パラクロムヒゲゼンマイは、きわめて磁気帯びしづらい特殊合金を使用。磁気の脅威から時計を守ることに成功したのです。

ちなみにヒゲゼンマイは時計パーツの中でも自社製造が難しいと言われていますが、ブルー・パラクロムヒゲゼンマイは加工がしやすく、量産に適していることも特筆すべき点です。

※Ref.124270の項でもご紹介しているように、現在Cal.3200系ではこの耐衝撃性・耐磁性がデフォルトで備わっております。しかしながらいち早くRef.214270でこれらを搭載させていたところに、ロレックスが同コレクションを「冒険モデル」と位置付けていたことが垣間見えます。

 

このように、サイズ・性能ともに大きな変更が加えられた214270ですが、2010年にはさらに大々的なランニングチェンジが行われます。

と言うのも、時分針が長くなり、かつ3・6・9のアラビアンインデックスにクロマライト夜光が塗布されることとなったのです。

214270 エクスプローラーI

上:最新型の214270 / 下:旧型の214270

 

この変更、なんでもないことのように見えて、かなりドラスティックな進化と言えます。

そう言える理由は、以下の通りです。

実は2010年のモデルチェンジでケースが大きくなった際、時分針になんら変更が加えられておらず、やや物足りない印象を受けていたユーザーは少なくないようでした。「デザインのバランスがあまりよくない」といった声も聞かれたものです。

そこでロレックスではリファレンスはそのままに、針と夜光の仕様変更を敢行。結果として完璧なデザインを獲得し、さらには探検家に何よりも大切な「どんな場所でも高い視認性を誇る」というアイデンティティを突き詰める結果となりました。

もっとも、現在は旧型文字盤の214270に稀少性という面で注目度が集まっており、相場をジワジワ上げているというロレックスならではの現象も巻き起こしてはいますが・・・

なお、生産終了時の定価は税込687,500円となり、プロフェッショナルモデルの中ではエアキング 116900に次いで低価格帯となります。

 

エクスプローラーI 114270

ロレックス エクスプローラーI 114270

SPEC

素材:ステンレススティール
ケースサイズ:直径36mm×厚さ約11.5mm
駆動方式:自動巻き
ムーブメント:Cal.3130
製造期間:2001年~2010年
参考定価:493,500円(当時)

 

114270は2000年代を飾ったエクスプローラーIとなります。

214270の前世代に当たり、「最後の36mmケース世代」と呼ばれていました。もっとも前述の通り、2021年にはこのサイズ感に回帰しています。

 

サイズ含めて外観は先代を踏襲しており、とりわけ文字盤は「インデックスがやや太くなった」「6時位置のswiss madeの位置が若干変わった」程度の変化しか見出せません。

ただし、偽造防止用としてサファイアクリスタルガラスに、レーザーで王冠マークがエッチング加工されたのは114270から(ただし初期製造個体にはなし)であることは特筆すべき点ですね。

 

また、「フラッシュフィット」と「ムーブメント」仕様も先代からの大きな変更点として挙げられます。

まず、フラッシュフィット一体型となったこと。フラッシュフィットとはブレスレットのつなぎ目の装着形式のことで、一体型ではケース・ブレスレットのこのつなぎ目がシームレスとなっており、より装着感が向上したものとなります。

ロレックス フラッシュフィット

※左がフラッシュフィット一体型。つなぎ目がなくなっている

 

ちなみに14270にあったラグ横の穴もなくなりました。

ロレックス エクスプローラーI

 

さらにもう一点の大きな特徴は、Cal.3130を採用していることです。

前項でも簡単に言及しましたが、こちらもノンデイトムーブメントとしてエクスプローラーIの他、サブマリーナやオイスターパーペチュアルに搭載されてきた基幹機です。ちなみにサブマリーナ 114060では現役で用いられています。

このムーブメントの特徴は、耐久性及びメンテナンス性が向上したことにあります。

14270で用いられていたCal.3000は、これまた後述しますが28,800振動/時(8振動/秒)にテンプの振動数を高め、精度面で進化した機械でした。ただし、テンプの振動数は高ければ高いほどパーツを摩耗させやすく、耐久面で不安を拭いきれません。

そこでCal.3130では、片方のみでテンプを支えていたバランスブリッジを両方向から支える機構へと改善し、衝撃からの耐久性はもちろん堅牢性や安定性を高めることとなったのです。

さらに言うと調整機構がマイクロステラスクリューからマイクロステラナットに変更されることで精度調整が用意となり、メンテナンス性の向上に一役買っています。

ロレックス ムーブメント 3130

 

なお、パッと見では変化に気づきづらいこともありますが、このCal.3130へのアップデートこそが114270の最大の醍醐味と言っていいかもしれません。

なぜなら、114270が今なお現役で扱えるのは、しっかりとしたケース・ブレスレットに加えて、当ムーブメントの功績が大きいためです。

「発売から20年が経過しようとしている中古モデルが、今でも使える」ということは、搭載ムーブメントが堅牢なこと。加えてメンテナンスしやすいことが要因として小さくありません。「どこでも」「いつまででも」使いやすいことを示唆していますね。

簡単に言うと、「ガンガン使って、不具合があれば修理業者にメンテナンスしてもらいながら、また末永く使っていける」ということ!

ロレックスの時計は、えてしてこういった側面があります。

実用が研ぎ澄まされているので、誰もが使いやすく修理しやすく、一大中古市場を築きやすいのです。

 

なお、114270の留意点として、「年式による仕様変更」が挙げられます。

214270の文字盤のようにドラスティックなものではありませんが、当該仕様によって相場が異なるので注意が必要です。

その特筆すべきものの一つが、ルーレット刻印です。

エクスプローラーI ルーレット刻印

114270のみならずロレックスの全ての個体に言えることなのですが、2006年頃からルーレット刻印が採用されるようになりました。

これはインナーリング(文字盤側のケースインナー。インナーサークル)に「ROLEX」および王冠マークがぐるりと一周し、さらに6時位置には個体のシリアルが印字された仕様です。

サファイアクリスタルガラスの王冠透かしマーク同様に偽造防止策なのですが、このルーレット刻印が入った個体は相場が上がりやすい傾向にあるのです。

もっとも、これは仕様が、というよりは、高年式(年式が若い、ということ)に直結するということが大きいでしょう。

114270や後述する14270のような生産終了モデルは、よっぽどのレアモデルを除いて新しければ新しいほど高い相場を築きます。

やはり時計は精密機器ですから、いくら中古ロレックスの質が高いとは言え、古くなればそれだけ相場は下がります。

もちろん付属品の有無や時計自体のコンディションも中古価格には大きく関わってきますが、ルーレット刻印の有無である程度新旧が見極められることは覚えておいて損はありませんよ!

 

エクスプローラーI 14270

ロレックス エクスプローラーI 14270

SPEC

素材:ステンレススティール
ケースサイズ:直径36mm×厚さ約11.5mm
駆動方式:自動巻き
ムーブメント:Cal.3000
製造期間:1990年~2001年
参考定価:370,800円(当時)

 

ドラマ『ラブジェネレーション』で木村拓哉さんが着用し、一躍人気モデルとして国内市場の話題をさらったのがこちらの14270です。

現行エクスプローラーIのデザインコードは、当14270で完成されることとなりました。

そのため、基本的に114270と外装面での大きな違いはありません。

トリチウム夜光を採用していること(1999年~はスーパールミノバ)やフラッシュフィットやラグサイドに穴があること(これらは同年代のロレックスにも当てはまる)等の細かな差異はありますが、基本的に14270の特徴は、前述の通り現行エクスプローラーIのデザインの礎となったこと。加えてムーブメントCal.3000を搭載していることに集約できるでしょう。

 

こちらに搭載されているCal.3000は、1990年代に一世を風靡したノンデイトムーブメントです。

繰り返しになりますが、今なお生産終了して日が経つロレックスが市場に出回っている理由は、ムーブメントの功績に拠るところが少なくありません。

ロレックス ムーブメント Cal.3000

Cal.3000では、従来毎時19,800振動だったテンプの振動数を毎時28,880振動へとスイッチングし、高精度化したことが特徴です。

また、1990年代、まだロレックスムーブメントは完全にクロノメーター化してはいませんでしたが、14270に搭載されているCal.3000はクロノメーター機。スペックという面で、当時最先端をひた走っておりました。

基本的に14270は、114270や214270以上に高年式のモデルが重宝されています。

もちろん古いモデルでも現役で動く個体ばかりですが、日常的に安心して使いたい,あまり高級時計を扱ったことがない、といった方々は、新しい個体を選ぶことをお勧めしますし、実際にそういったニーズが14270の相場を形作っています。

 

ただし例外があります。

それは、「ブラックアウト」と呼ばれる個体です。

基本的に114270も14270も、3・6・9のアラビアンインデックスにはホワイトエナメル仕上げが施され、白っぽい光沢を放っています。

しかしながら14270の初期製造モデルにのみ、当アラビアンインデックスがブラックカラーとなっている個体が存在します。これがブラックアウトです。

シリアルにすると、E番またはX番の一部で確認されています。

ロレックス エクスプローラーI 14270 ブラックアウト

※ブラックアウトの14270。アラビア数字が明らかに異なりますね。

 

仕様変更なのかたまたまなのか、理由はわかっていません。

しかしながらその稀少性の高さから100万円以上が当たり前、状態の良い個体なら200万円超えという、エクスプローラーIらしからぬ相場を築いています。

 

 

ロレックス エクスプローラーIを今買うならどれ?~124270・214270・114270・14270~

それでは、現在エクスプローラーI市場で流通している124270・214270・114270・14270の中で、時計買取店のスタッフが「どれを今買うべきか?」をご紹介いたします!

もちろん「デザインで」「好みで」選ぶのが時計の醍醐味なのですが、ことエクスプローラーIに至っては外装が似すぎていて(唯一、214270はサイズの好みや着用感で選ぶこととなるでしょうが)、迷ってしまう方も多いでしょう。

そこで、「価格」「今後の価格高騰ポテンシャル」「コンディション」に区分けして、解説してみました!ぜひこれからエクスプローラーIを買おうと思っている方は、参考にしてみてくださいね。

 

①価格を抑えながら買うならコレ!

ロレックス エクスプローラーI

「ロレックス、高くなりすぎて予算オーバー・・・」

「価格をできるだけ抑えたい」

そんな方々こそ、エクスプローラーIは狙い目!とは言え近年のロレックス相場高騰の煽りを受けていることは事実で、214270は既に定価を大きく上回るプレミア価格に達してしまいました。生産終了したこと。加えて後継機124270が36mmサイズであったことから、相場は高値を続けています。

でも、安心してください。

「生産終了して年月を経た114270または14270」は、まだ比較的安く購入することが可能です!

 

誤解のないように言うと、当然ながら生産終了モデルも値上がりはしています。新作の登場によって注目度が増し、歴代エクスプローラーIに需要が集中し始めていることは事実です。

しかしながら、エクスプローラーIの三世代はいずれも10年選手で比較的製造期間が長く、かつもともとの定価がそこまで高くないことから、「まだお求めやすい価格の個体がある」と言っていいでしょう。

ロレックス エクスプローラーI 114270

繰り返しになりますが、中古は付属品や時計自体のコンディションが価格に色濃く反映されるため、正確な相場をお伝えすることはできません。

しかしながらある程度状態が良好な個体と仮定したうえでの平均的な価格帯は、114270が80万円前後~(二年前は60万円台~70万円台前半)、14270も80万円台~(こちらも、ほんの二年前は60万円台でしたが)と言ったところ。これは年式が古かったり、付属品が付いていなかったりするほど安価になる傾向にあります。

もちろんさらに数年ほど前まで40万円台が相場だったことを鑑みると非常に高い印象はぬぐい切れませんが、その分リセールバリューも年々高くなっているため、お得感も同様に強いモデルと言えるでしょう。

 

なお、Ref.214270もひところの高騰から落ち着きを取り戻していることは事実です。新作発表直後は中古価格が一時期160万円前後となることもありましたが、現在では高年式モデルでも140万円前後~、文字盤前期型の低年式モデルであれば110万円台~手に入れられる個体も出回ります。Ref.124270は130万円前後~です。

 

②これからの価格高騰に期待して買うならコレ!

ブラックアウト 価格高騰

スポーツロレックス特有の現象。それは、「相場の上下」ではないでしょうか。

高級時計の中にはきわめて高い資産価値を有する製品が少なくありませんが、ロレックスほど相場変動の激しいモデルはなかなかありません。そして、近年のロレックス相場は、ずっと右肩上がりに上がり続けている状態です。

デイトナやサブマリーナの人気モデルはもともと需要も相場も高かったですが、それでも2016年以降は確実に右肩上がりに相場上昇。そしてここ2~3年では、価格の優等生と呼ばれていたモデルでも定価を大きく超えるプレミア価格を築くようになりました。

 

そんな中で、エクスプローラーIの相場が2021年、急激に上昇しています。

その最も顕著なものが、214270です。

2019年、過去最高とも言っていいほどロレックス相場が全体的に上昇しました。これはエクスプローラーIも同様で、これまで70万円台でふんばっていた新品並行相場が一気に80万円台に突入。定価687,500円ですので、他のスポーツロレックスにも負けない値上がりと言えるでしょう。

この相場は一時期落ち着いてはいたものの、2019年末から再び上昇の兆しを見せることとなりました。

ロレックス エクスプローラーI 214270

そして2020年に入り、214270はますます相場を上げることとなります。8月頃、新品並行相場は、ついに90万円超え・・・!

この要因はいくつか考えられますが、最たるものは「9月に控えたロレックスの新作発表」です。

例年3月にバーゼルワールドでロレックスは新作発表を行ってきましたが、2020年は新型コロナウイルスの影響から、9月にずれ込むこととなりました。

ロレックスの新作発表は、時計の買取店にとってきわめて重要なイベントです。というのも、新作が発表されるということは旧型番が生産終了と言うことに繋がるのですが、ロレックスは「生産終了したモデルの相場が上昇する」という現象を起こし続けているのです。これは、ロレックス特有です。

 

そして、次の新作発表で生産終了となるのが、この214270なのでは、と囁かれていたのです。

この噂の背景には、2020年の定価改定時に214270だけが値上がりせずにお値段据え置きだったり、214270の誕生から10年の節目を迎えていたり…こういった事実がありました。

ロレックス エクスプローラーI 214270

また、近年新世代ムーブメントへの載せ替えが行われていますが、ノンデイト系だけはその対象になっていなかったことも大きいでしょう。

※新世代ムーブメントについて

何度か言及しているように、Cal.31●●というムーブメントをご紹介してきましたが、現在ロレックスはCal.32系への移行を進めています。

この「新世代」ムーブメントは、従来の31系よりパワーリザーブを一日分延長し、かつ信頼性や効率等、さらに性能面でのパワーアップが図った、ロレックスご自慢の名機です。

32系ムーブメントへの移行で以て旧型番を生産終了にする、というのが最近のロレックスの動向なのですが、実はノンデイトムーブメントにまだこのメスが入れられていません。そこで、先陣をきるのが214270なのではないか、という噂が飛び交っていたのです。

 

結果的に2020年に新作発表のメインとなったのはサブマリーナでした。その際にノンデイトの新世代ムーブメントCal.3230が登場しています。

この噂、そしてノンデイトの新ムーブメントがついに登場したことから次の生産終了は214270説がますます濃厚となった結果、買いが集中して急騰。そして2021年、ついにこの噂が事実となったために過去類を見ないほどの並行相場を記録しました。

下記は、エクスプローラーI 214270の、過去6年間の価格推移です。文字盤後期型(2016年以降)・前期型それぞれの当店GINZA RASINでの中古販売価格をもとに、年度の平均を算出しております。

 

◆後期型文字盤(2016年~2021年)の価格推移

 

 

付属品 平均相場
2017年 箱/保証書 有 688,000円
2018年 箱/保証書 有 717,000円
2019年 箱/保証書 有 792,000円
2020年 箱/保証書 有 849,000円
2021年 箱/保証書 有 1,122,000円
2022年 箱/保証書 有 1,307,000円

 

◆前期型文字盤(2010年~2016年)の価格推移

ロレックス 214270 前期型

 

 

付属品 平均相場
2017年 箱/保証書 有 628,000円
2018年 箱/保証書 有 674,000円
2019年 箱/保証書 有 725,000円
2020年 箱/保証書 有 794,000円
2021年 箱/保証書 有 1,059,000円
2022年 箱/保証書 有 1,165,000円

2021年に入ってからはほぼ常時100万円推移、そして新作発表があった4月7日以降、中古であっても160万円台~、新品や未使用品は180万円台~を突破した214270。。

前述の通り、現在は若干落ち着いて140万円台(文字盤後期型。前期型であれば100万円台~)となりましたが、それでもまだまだ高値。

しかしながら39mmサイズはエクスプローラーI史の中で214270のみとなることを鑑みれば、じょじょに落ち着くとは言え、今後もまだ高値推移するであろうことは想像に難くありません。

さらに今後年数を経ていけば、市場からグッドコンディションの個体は減っていくことが見込まれます。

本当に欲しい方はこれから生産終了して流通量が減ってしまう前に、買っておいた方が良いでしょう

 

ロレックス エクスプローラーI 214270

なお、現行モデルが生産終了すると、つられて旧型にも注目度が集まり、相場が上がるケースも多々あります。

また、旧型エクスプローラーIの中でも、14270のトリチウム夜光モデルは狙い目と長らく言われてきました。

エクスプローラーIの夜光はトリチウム⇒スーパールミノバ⇒クロマライトといった変遷を経てきているのですが、新しいほど性能面では優れていると言えます。しかしながらトリチウム、「経年により変色した風合いが味わい深い」「ヴィンテージテイストを楽しめる」とあって、一躍人気に。

「トリチウム夜光が、次に価格高騰するロレックスなのでは?」といった業界筋の意見があることは事実です。

エクスプローラーIでトリチウム夜光が使われている個体は、1999年より前に製造されたもの。14270では結構多いので、価格高騰に期待している方だけではなく、ヴィンテージテイストがお好きな方は、狙い目でしょう。また、トリチウム夜光を残した文字盤・針は、オリジナルが保たれていることも示唆するため、稀少性の高さも特筆すべき点です。

なお、「オールトリチウム」と呼ばれる個体は、既に値上がりが目覚ましいことは留意しておきましょう。ロレックスは正規オーバーホールに出すと針や文字盤交換も一緒に行われてしまうため、オリジナルのまま現存している個体はそう多くはありません。

そのためオールトリチウムの個体は、高値で売買されることとなります。

 

③安物買いの銭失いを避けるために。中古は状態を確認してから買おう

ロレックス エクスプローラーI 214270

今回、214270だけに留まらず、生産終了した114270と14270についても併せてご紹介しております。

本稿をきっかけに、この時計に興味を持って頂ければ幸いです。

しかしながら年式の古いモデルや、214270でも中古品を買う時に注意してほしいことがあります。

それは、「状態(コンディション)をしっかり確認してから買う」というものです。

 

ここで言う状態とは、外装の傷や変色の具合だけでなく、「いつオーバーホールしているのか」「機械点検は行われているのか」「いつ頃販売された個体なのか」というものです。

前項でも述べましたが、時計は精密機器です。末永く使っていくには、定期的なメンテナンスや丁寧な取扱いが欠かせません。

そのため、いくら安く販売されていてもメンテナンスされていない個体は避ける必要があります。

販売時に、状態についてきちんとした説明のある店舗を選択するようにしましょう。

なお、特にこだわりがなければ、高年式の個体を選ぶのがお勧めです。

 

まとめ

ロレックス エクスプローラーIの人気モデル124270・214270・114270・14270について解説いたしました!

長らく現行として活躍してきた214270だけでなく、114270および14270も比較的市場に流通しており、エクスプローラー人気を牽引していること。近年の相場上昇は顕著ではありますが、中にはまだお安く買える個体も存在すること。とは言え数年前と比べると価格の上昇率はきわめて高く、さらに今後高騰するポテンシャルを秘めたモデルもあることをお伝えできたでしょうか。

もっとも、どのモデルもエクスプローラーIらしいシンプルで上品なデザイン、そして堅牢かつ信頼性高いスペックを有します。ぜひお好きな一本に出会ってくださいね。

※掲載する情報は2023年1月現在のものとなります。相場は随時変動しておりますので、詳細はお問合せください。

 

文:鶴岡

 

 

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この記事を監修してくれた時計博士

池田 裕之(いけだ ひろゆき)

  • (一社)日本時計輸入協会認定 CWC ウォッチコーディネーター
  • 高級時計専門店GINZA RASIN 買取部門 営業企画部 MD課/買取サロン 課長

1982年生まれ・熊本県出身。
20代でブランド販売店に勤務していく中で、高級時計に惹かれ、その奥深さや魅力を知っていく。29歳で腕時計専門店へ転職を決意し、GINZA RASINに入社。
豊富な時計への知識を活かして販売・買取・仕入れに携わり、2018年8月にはロレックス専門店オープン時、店長へ就任した。販売・買取ともにリピーターが多い。時計業界歴17年。

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