ロレックスの兄弟分チュードル/TUDORの歴史

2016/12/15

ロレックスのディフュージョンブランド(廉価ブランド)として、1930年代に誕生したチュードル。

今回は姉妹ブランド的な存在として知られる、ロレックスとチュードルの関係性とその歴史について迫ってみたいと思います。

1930年代のロレックスはオイスターパーペチュアルの発明により信頼性が高く、
実績も徐々に高まっていましたが、まだ現在ほどの世界的認知は得られていませんでした。
時計の製造技術としては素晴らしい功績を残しながらも、そうした技術革新が時計のコストに反映されて、
一般消費者に手の届きにくい価格帯になっていたのです。

ロレックスのコストを抑えて販売価格を下げるというやり方を行えば、販売本数を伸ばすことができたのかもしれませんが
「高級ブランドロレックス」のイメージを損なってしまいます。

そこでロレックスの創業者であるハンス・ウィルスドルフ氏は、市場拡大を目指し新たなマーケティング活動を行います。
それは「兄弟ブランド」を創立することだったのです。

ロレックスと同じオイスターケースに、コストを抑えられる上に品質の良い「ETA社製のムーブメント」を入れ、
価格をリーズナブルにしたラインとしてチュードルを立ちあげます。

イギリスでの市場拡大を視野に入れていたため、ブランド名はイギリス王家の一つである「チューダー家」にちなんで名づけられました。
ロゴも「チュードル・ローズ」と呼ばれるイギリス王家のバラを模した意匠です。

こうして誕生したチュードルは他社製のムーブメントを採用することで大幅なコストダウンを実現、
オイスターケースなどのパーツをロレックスから流用することにより、ロレックスのテイストをふんだんに取り入れながら、
質を落とさず価格を下げた普及版ブランドとしてその名を広げていきました。

過度な装飾にあまり価値観を感じないイギリス市場に合わせた時計でもあり、
また創業地がロンドンということもあって、チュードルは瞬く間に高い名声を得ていきます。
計算されたブランド戦略が成功したのです。

ケースにはオイスターケースを採用。以前はロレックスの王冠マークが用いられていましたが、現行モデルにはチュードルの盾マークが入っています。
リューズもロレックスと同様にネジ込み式リューズを採用。こちらも以前はロレックスの王冠マークが用いられていましたが、現行モデルではチュードルの盾マークが入っています。
バックルにもチュードルの盾マークが刻印されています。こちら以前はロレックスの王冠マークが入っていました。
スポーツ系に関しては、ロレックスと同様に同一モデルでも数多くのバリエーションが存在します。

チュードルクロノタイム 79260 シルバー×ブラック	チュードルクロノタイム 79270 ブラック×シルバー	チュードルクロノタイム 79160 ホワイト×シルバー
チュードルクロノタイム 79280 シルバー×ブルー	チュードルクロノタイム 79280P ホワイト×ブラック	チュードルクロノタイム 79280 タイガーウッズグリーン

個人的な意見としては、ロレックスと比較しても「ベルトが無垢か巻き板か」、「ムーブメントが自社製かETA製か」程度の
違いしか無いように見受けられます。（少し言い過ぎかもしれんせんが・・。）
それだけの差でロレックスデイトナが100万円を優に超えるのに対し、
デイトナをリスペクトして作られたチュードルクロノタイムは50万円以下で手に入りますのでお得と言わざるを得ません。

また以前はロレックスの普及版ということを意識したロレックスに似たデザインのモデルが多くリリースされていましたが、
現行モデルでは独自のデザインによるものが多く販売されています。

２０１６年新作　チュードルヘリテージブラックベイ Ref.79230

２０１２年新作　チュードルヘリテージブラックベイ Ref.79220

チュードルヘリテージブラックベイ赤ベゼル 79230R	チュードルヘリテージブラックベイ黒ベゼル 79230N	チュードルヘリテージブラックベイ青ベゼル 79230B
チュードルヘリテージブラックベイ赤ベゼル 79220R	チュードルヘリテージブラックベイ黒ベゼル 79220N	チュードルヘリテージブラックベイ青ベゼル 79220B