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ポリッシュ仕上げの落とし穴「ケース痩せ」について

新品で購入した際には傷一つなかったピカピカの腕時計も毎日身に着けていると、どれだけ気を付けていても知らぬ間にどこかにぶつけてしまったりして、どうしても傷がついてしまうものです。

そんな傷だらけになってしまった時計は「外装仕上げ」を施すことで、再び輝きを取り戻すことが可能です。

但し、外装仕上げをあまり頻繁に行うと「ケース痩せ」と呼ばれる状態になってしまいます。

そこで、今回はケース痩せについて詳しく解説していこうと思います。

時計メンテナンス ケース痩せ

 

1.ケース痩せとは?

日常毎日の生活でたくさん傷がついてしまった時計も「外装仕上げ」を行うと、まるで新品のような輝きを取り戻します。

当店では仕上げの品質に拘りをもっており、知らぬ間についてしまった小傷やうっかりつけてしまった打ち傷も、仕上げを行うことできれいな状態でお渡ししております。

時計 ポリッシュ仕上げ

関連記事:中古時計のプレミアムクオリティへのこだわり

 

しかしながら「外装仕上げ」の際には、表面を極めて薄く削ることでケースを磨いているため、何度も行うと当然ケースが擦り減ってきます。
これが「ケース痩せ」です。

時計 外装仕上げ

写真のように、外装仕上げを何度も行ってきた時計はケースが減っているのがお分かり頂けると思います。

また、このように減ってしまった時計は、外観が見劣りするだけでなく、場合によっては防水性が保てなくなる場合もあるのです。

傷の程度にもよりますが、一般的には新品の状態のフォルムを保てるのは5回程度と言われており、それ以上はケースの交換が必要となってしまうこともあります。

時計の傷は一緒に生活をしている証です。少しの傷は時計の味わいと考え、外装仕上げはオーバーホール時にだけ行うようにして頂くことをお奨めします。

 

2.傷がつきにくい素材

「傷も時計の味わいの一つ。」そうは分かっていても、綺麗な時計を身につけていると気持ちも上がりますよね。

ついてしまった傷は仕上げで磨くしかありませんが、「最初から傷がつきにくい素材の時計を選ぶ」という選択肢もあります。

 

■チタン素材

チタンは「軽い」「強い」「錆びない」という特徴を持つ金属で、金属アレルギーをお持ちの方にも安心してお使い頂ける素材です。

チタンは、セイコーが大深度潜水用のダイバーズウォッチとして初めて時計の素材として使用しました。
この時計は、潜水調査船の水深1,062mの環境でも動き続けたといいます。
これにより、過酷な環境下でのチタンの耐久性が実証され、ケース素材として広く使われるようになりました。

非常に硬い素材のため小傷は付きにくいのですが、大きな衝撃を与えると欠けやすいというデメリットもあります。

 

■セラミック素材

セラミックは独特の艶感のある素材です。ステンレススチールと比較しても耐傷性が高く、金属ではなく焼き物の一種であるため、金属アレルギーの心配もなく、また、錆びることもありません。

初めてセラミックを時計の素材として使用したのはスイスの時計ブランド「ラドー」で、自社のハイテクセラミックスと呼ばれるセラミックス時計を実現しました。

更に、2000年にシャネルが「J12」を発売したことで、セラミックの名は瞬く間に世界中に浸透していきました。

セラミック素材 J12

 

■PVD加工

PVD加工とは金属の上に施すコーティングの一種で、「Physical Vapor Deposition」の頭文字をとった名称です。PVD加工には、窒化チタン・炭窒化チタン・窒化チタンアルミニウムなどコーティングに幾つか種類があります。
黒色に着色されるため、見た目にも重厚感が出て美観も向上されますし、硬度も強化されるのが大きな魅力です。

また「DLCコーティング」という種類もあり、「Diamond-Like Carbon」という名の通り、ダイヤモンドに近い特性を持つ非結晶(アモルファス)を蒸着させたコーティングです。
ダイヤモンド並の高度があり、更に金属アレルギーの方にも安心なのがメリットといえます。

関連記事:PVDとは・・・

但し、これらの加工を自分で行ってしまうと、正規のメンテナンスを受けられなくなってしまうケースがございますのでご注意ください。

 

この他に、カーボンや炭化タングステンといった素材も使われますが、カーボンの耐久性には若干不安要素があり、炭化タングステンは重すぎるという欠点もあります。

ケースに傷がつきにくい素材は、反面、傷がついてしまうとステンレススチールのように簡単に磨くことが出来ないという欠点もあります。

 

3.錆びから守る普段のお手入れ

購入時の時計の輝きが次第に失われていくのは傷だけが原因ではありません。
金属の最大の敵である「錆び」も大きな要因の一つです。

ステンレススチールは「錆びない鉄」という意味をもつ合金で、鉄にクロムとニッケルを加えて精製されます。
クロムが空気中の酸素と結合して表面に薄い被膜を形成することで、金属が錆びるのを防いでいます。

しかし、ステンレススチールと言っても、まったく錆びないわけではありません。
汗をかいてそのままにしておくと被膜が破壊され、そこから錆が発生してしまいます。

毎日のちょっとしたお手入れで大切な時計を錆びから守ることができます。
汗をかく機会が多い方は下記をお試しください。

 

■やわらかい布で拭く

メガネ拭き用のクロスなどの柔らかい布で時計の裏側やブレスを拭き、時計に付着した汗や汚れを取り除きます。
特に時計の裏側は、着用による汗がたまりやすい場所ですので、よく拭いてください。

時計 手入れ

 

■歯ブラシで隙間の汚れを取り除く

汚れがどうしても取りきれないときや、ブレスの隙間に汚れがたまってしまっている時には、やわらかい歯ブラシでブレスの隙間の汚れを掻き取ってみてください。
細かい部分には綿棒や爪楊枝の先端を使い、丁寧に汚れを落とします。強くこすってしまうと傷がついてしまう事もありますので注意して行ってください。

金属製のブレスであっても、水洗いをするとケースの隙間から水が侵入することもあります。そのため、防水機能のある時計でも水洗いは極力避けた方が安全です。

 

4.買取金額への影響について

傷がついていない状態の方が高く売れるのではないかと思い、オーバーホールや外装仕上げを行ってから買い取りに持って来て下さる方がいらっしゃいます。

確かに、綺麗なお時計の方が高いお値段をお付けしておりますが、もしかしたら、メンテナンス費用の方が高くついてしまうかもしれません。

参考記事:オーバーホールしてから売った方がお得なの!?高く売るためのポイント

前項で紹介したようなお手入れを行って頂くだけでも、お値段が変わる場合もございます。
今まで一緒に時を刻んできた時計へ感謝の気持ちも込めて、まずは綺麗に磨いてみてください。

 

まとめ

日頃から身に着けている時計に、傷がつかないよう注意を払うことは難しいことです。
リフレッシュの意味で、オーバーホールの際に外装仕上げをするのも良いと思いますが、傷のついた時計を労わる気持ちを持って見つめれば、多少の傷も気にならなくなるのではないでしょうか。

お客様の大事なお時計。メンテナンスのご相談も時計の知識の豊富なスタッフがアドバイスさせて頂きますので、お気軽にお問合わせください。